もつれた糸をほどく〜切り絵《dragon lady》

切り絵《dragon lady》
thank you, sold out

長く生きていると
自分の性格って自然と複雑になってくると思いませんか?
それはひどくもつれた糸のようだと思うのです。
そのままにしておけば、ますますもつれていく。
もつれてしまっていると、なかなかに生きづらい。
なのでわたし、真剣にほどきにかかることにしました。


一気に全部やろうとすると、うまくいきません。
まずはもつれた糸のかたまりを平たい台の上において観察する。
「ふむふむ。どこから取り掛かろうかな」
そしてゆるめられる糸をそっとゆるめていきます。
一回に解決しようとしないこと。
少しでもいいからからんでいるところをゆるめること。
焦らないこと。
うまくいかない時は一回離れてみること。
そうやっていると、結構ほどけたりします
(マクラメとかアクセサリーの鎖とかで実践済み♪)


今回の個展で「楽しむこと」を目標にしたのも
その「ほどく作業」のひとつでした。


切り絵作家を始めた時に(前にも書いたけど)
「名前が売れなきゃだめ」
「たくさんの人を展示に呼べなきゃだめ」
「作品がうんとこさ売れなきゃだめ」
(なんなら完売しなきゃだめ)
と複数の先輩たちから強く指導されたため
ずっとそれを念頭に活動してきました。
いわばずっと額に皺を寄せてキリキリピリピリしてたわけです
(だってそんなに魔法みたいにうまくいくはずないじゃない?)。
それもあってかな?
コロナ禍の真っ只中でメンタルが溶けてしまいました。


その反省からそのわたしを縛る教えを捨てることにしました。
「認知されなくてもいい」
「たくさんの人が見にきてくれなくてもいい」
「作品が売れなくてもいい」
(なんなら売上ゼロでもいい……ごめんなさい、ギャラリーオーナー)
という覚悟で
まずは自分のイライラピリピリをなくすことにしました。


どうしたらいい?と考えて
「自分の作品を心から愛そう」
「展示を心から楽しもう」
と開き直ってみることにしたのです。
「作家」というえらそーな看板もちょっとしまって
「切り絵が好きな人」のスタンスに戻ることにもしました。


やってみたら、これ、すごく効きました。
お客様が来ない時間も楽しかったし
もちろんいらした時はとても嬉しかったし
自分の作品はどれもすごく好きだったし
売れたコも売れなかったコもみんな愛してるし。
文句なく100点満点の展示になったのです。
心の持ちようは大きいなと本当に思います。


そして次なる「からんだ糸をほどくポイント」も見つかりました。
(この話、なんとなく続いていきます)

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