表紙画像をかえてみました

切り絵《deer girl》
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鹿が恋しくて
しばらく鹿をたくさん切っていたので
HPの表紙も鹿切り絵にしてみました。
どうかな?


鹿のボディを何色にしようかと
さんざん悩んだのですが
ピンクにしてみました。気分です。


女の子も鹿の角がはえたdeer girlです。
この角生えdeer girlもわたしが好きなモチーフのひとつ。
よく切ります。



ただやってみたい

切り絵《雲のぼさつさま》



髪の毛が雲でできている、
眉間の白毫も雲になっている、
ぼさつさまのような方です。
ちょっと邪悪なお顔になってしまったので
あえて「ぼさつさまのような」と濁します。


しばらく棟方志功の絵を見ていたら
あのふくよかな女性に影響されました。
彼が描くような邪気のないお顔は
とうていわたしには描けません。
いろいろとトライしてみたけれど
妙に可愛くなるか
妙に色気付くかなので
あっさりとあきらめました。
へんに棟方志功の純さをめざすよりは
邪悪なほうがまだわたしらしい。


この切り絵でやってみたかったのは彩色です。
彩色された棟方の女性やほとけさまは
眉の下や耳たぶ(あ、忘れた)、頰、胸元などに
ほどこされた桃色がとても特徴的なのです。
「素敵だな〜」と思っていたら
自分でもやってみたくてたまらなくなりました。


こうなると
とにかくやってみないと(実現しないと)
ゆめうつつ状態になるのです。
やらないと終わらない。どこにもいけない。
悪いクセです。
とりあえずやってみると
憑き物がおちたようにさっぱりするのです。

予約システム大賛成



Eテレ「日曜美術館」でやっていた棟方志功特集をみていたら
無性に彼の作品をみたくなりました。
ちょうど日本民芸館で展示をしているというので
予約をとってみに行ってきました。

あーーー美術館にいくの、ものすごく久しぶり。
今年に入って初めてだよ。

コロナ前の東京の美術館や博物館は
いつもどこも超こんでいて
行くたびに人の毒気に当てられてしまうので
最近ではとんと足が遠のいていたのです。
前もって予約していくシステムはめんどくさいけれど
実際に赴くと、人が少なくて、とても快適。
おめあての棟方志功作品を
じっくりゆっくりたんまり拝見してきました。

しあわせ。

ところで
ほんとに人の毒気に当てられるってすごくあるのです。

とても素敵な仏教芸術を見にいって
そこで交わされるおばさまおじさまたちの
ものすごく現世的でもやもやもやする会話を耳にして
吐きそうになったことも数知れないのです……。

そして調子に乗って
その翌週は国立東京博物館の「きもの展」を予約して見に行きました。
通常ならわんさかすぎる人の群れで
とても間近で展示物を見ることなんてできません。
でも予約制なので人がとっても少なくて
どの作品も真ん前でじっくり見ることができたのです。
トーハクでこんなにゆったりと観覧できるのは
ほぼ20、30年ぶりじゃないかしら。


このシステムはいいです。
少なくともわたしにはあってる。
これが続いてくれれば、
もう少し頻繁に美術館・博物館に通うようになるかもしれません。
(ただ美術館や博物館サイドはたいへんだよね。
これまでの集客をあてにできないんだから)

ひとつでいい

切り絵《すきっ》




ときどき仏教系や禅っぽいエッセイを読みます。
最近はあまり手にしなくなりましたが、
「ブラック杉谷」だったころには
よく読んでいました。


久しぶりにそのうちの一冊を手にとってみました。
よりよく生きるための100のコツ……みたいなやつ。
ずらりと「こうしましょう」的なアドバイスが載っています。


それぞれはものすごく正当なアドバイスなんです。
たとえば
「朝起きたらちょっとだけでも掃除をしよう」
「今日できることは今日しよう」
「人にはやさしくする」
「ひとつのことをコツコツ続ける」
「人に嫉妬しない」
「思いついたら実行する」
……などです。


でもね、自分でびっくりしたんだけれど、
当たり前の、正当な、素直なアドバイスでも
それが100個もずらりと並んでいると
ものすごい圧迫感があるんですよ。
これまでそう思ったことはないけれど
初めてそんなふうに自分のなかの抵抗を感じました。


こういうアドバイス(というノウハウというかライフハックというか)は
ある期間にひとつで十分じゃないのかしら。
少なくとも今のわたしには
たくさんの「〜しよう」「〜すべき」は不要だし
むしろお互いに邪魔しあって逆効果になる気がします。


この100個のなかから
いちばん今の自分に必要な項目をひとつだけとりだして
(あるいは、えいって当てずっぽうに選んで)
それを自分の暮らしのなかで
ゆっくりと噛みしめていくのがいいと思うのです。


たとえば「今できることをする」という項目だったら
これをやるのはとてもたいへんですよね。
「今できることをする」を
自分なりに因数分解して
ゆっくり本当に自分のなかに落とし込んでいく。


そうしていかないと、
やっつけでやっていっても
自分の中には何も残らないのではないかしら。


そんなことをこっそり思ったのでした。