春が来たよ



ときどき
「わ〜〜〜赤い紙を切りたい」という病気になる。
最初に始めたのが中国切り絵で
当時は赤い紙(もしくは黒い紙)を切るばかりだったので
赤い紙を切りたいってことは
たぶん初心に戻りたいんだろうと思う。


ゆうべその病気を発症してしまい
今朝朝一番で切りました。


タイトルは
『春天来了。鳥也来了』
中国語なのです。
和訳すると
「春が来たよ。鳥も来たよ」ってとこかしら。


まだまだ赤い紙を切りたいのですが
今日はこれから搬入です。
明日から『想像された狼たち』@銀座が始まります。

『空は青ぐろく』

『私の中の賢治』展、
無事に終了いたしました。
こんな折にもかかわらず
足をお運びいただいた方々、
本当にありがとうございました。
1年ぶりに顔を見た方も多く、
早くまた自由にお会いできるようになりたいと
切に願っております。


その際にはワークショップも再開しますね。


さて、
その『私の中の賢治』展に出した最後のひとつ。
小さな作品です。




賢治の作品にはたくさんの鳥が登場します。
鳥好きのわたしとしては
やっぱり鳥は切りたいなあ……と
いくつか作品を読んでみました。


そして切りたいなと思ったのは『よだかの星』です。


いや〜。暗いんだわ。
本当は暗くない話なのかもしれませんが、
わたしには暗い暗い話でした。
よだかはいじめられるし
優しい言葉もかけてもらえないし。


このお話はもう一度10年ぐらいたって
また読んでみたいと思います。
その頃まだ切っていたら、
また切ってもみたい。
そのときにはどう思えるのか。
まだ暗いままなのか。
異なる姿が見えるのか。
もう一度見てみたいと思います。




『わんのゆき』



久しぶりに文字をガッツリ入れた切り絵を切りました。
(昔はよく切っていたんですが
いろいろあって、しばらくひかえていました。
でもまたやろうかな)


賢治の有名な詩『永訣の朝』がモチーフです。
『あめゆじゅ とてちて けんじゃ』
と死なんとする妹に頼まれて
賢治は外に積もる雪を碗で汲んできます。



この切り絵の中にはその詩の一節
「おまへがたべる
このふたわんのゆきに
わたくしはいま
こころからいのる」
……の文字が隠されています。


碗から立ち上がる草にまぎれて
とてもわかりにくいのですが
よろしければ探してみてください。

25cm×25cm額装

『くらむぼん』



わたしが大好きなフラワーリースでまとめた作品です。
題材は『やまなし』。
『やまなし』を読んでるコを切りました。


本を読んでいるときって
入り込んじゃいますよね。
そういう時って登場人物や背景や舞台設定が
自分のすぐまわりにあるような気がしませんか?
それが読書の楽しみのひとつでもあると思うのです。


この作品のなかには
「く」「ら」「む」「ぼ」「ん」の文字を
隠してみました。
ぜひギャラリーで絵の前で探してみてください。



20cm×20cm額装