人の心の中の闇ってよくいうけれど、
わかる闇、
推測できる闇、
見える闇、
想像できる闇、
なんて本当は闇じゃない。
どこにもその気配さえも見えなくて
匂いもしないのが
本当の闇なのさ。
幾重もの蓋でパックしてたりするから
本人さえも
その存在を忘れているのかもしれない。
奥の奥の奥の奥で
ひっそりとどくどくと生きている闇。
……こわいね。
闇にも新鮮な空気をたまにはあげたほうがいいのかもね。
展示作品紹介
『想像された狼たち』展@銀座 Gallery SIACCA
すでに始まっております。
来週3月15日(月)までと会期が短いのです。
遅くなりましたが
そこで展示しているわたしの作品をちらとご紹介。
今回新しく切ったのは『狼星』。
吠える狼と
中島敦の漢詩と
バックに黄色い点で狼星(シリウス)を描きました。
中島敦の漢詩は次のようなもの。
孤高感にあふれていて
寒々しくて好きです。
狼星方爛々
參宿燦斜懸
凍夜疎林上
悠々世外天
そして他の2つの過去作品も展示しております。
どうぞよろしくお願いいたします。
3月10日(水)〜3月15日(月)
12:00〜18:00(最終日〜17:00)
休廊日なし
Gallery SIACCA
東京都中央区銀座2-9-16 B1F
銀座1丁目駅10番出口徒歩1分 銀座駅A13出口徒歩3分
春が来たよ
ときどき
「わ〜〜〜赤い紙を切りたい」という病気になる。
最初に始めたのが中国切り絵で
当時は赤い紙(もしくは黒い紙)を切るばかりだったので
赤い紙を切りたいってことは
たぶん初心に戻りたいんだろうと思う。
ゆうべその病気を発症してしまい
今朝朝一番で切りました。
タイトルは
『春天来了。鳥也来了』
中国語なのです。
和訳すると
「春が来たよ。鳥も来たよ」ってとこかしら。
まだまだ赤い紙を切りたいのですが
今日はこれから搬入です。
明日から『想像された狼たち』@銀座が始まります。
『空は青ぐろく』
『私の中の賢治』展、
無事に終了いたしました。
こんな折にもかかわらず
足をお運びいただいた方々、
本当にありがとうございました。
1年ぶりに顔を見た方も多く、
早くまた自由にお会いできるようになりたいと
切に願っております。
その際にはワークショップも再開しますね。
さて、
その『私の中の賢治』展に出した最後のひとつ。
小さな作品です。
賢治の作品にはたくさんの鳥が登場します。
鳥好きのわたしとしては
やっぱり鳥は切りたいなあ……と
いくつか作品を読んでみました。
そして切りたいなと思ったのは『よだかの星』です。
いや〜。暗いんだわ。
本当は暗くない話なのかもしれませんが、
わたしには暗い暗い話でした。
よだかはいじめられるし
優しい言葉もかけてもらえないし。
このお話はもう一度10年ぐらいたって
また読んでみたいと思います。
その頃まだ切っていたら、
また切ってもみたい。
そのときにはどう思えるのか。
まだ暗いままなのか。
異なる姿が見えるのか。
もう一度見てみたいと思います。